星になってから 事件直後
事件直後

2012年10月30日(火)星になった少年の事件について
学校のアンケート及び個人面談がおこなわれた

この日、初期調査として同校の生徒に対し、[星になった少年]の事件についてのアンケート及び個人面談が行われた。
児童生徒の自殺が起きたときの背景調査の在り方について(通知)文部科学省には、背景調査を行う際の留意事項として 「万が一自殺等事案が起きたときは、学校又は教育委員会は、速やかに遺族と連絡を取り、できる限り遺族の要望・意見を聴取するとともに、 その後の学校の対応方針等について説明をすることが重要であること。」と記載されている。
しかし、本件において、行われた10月30日及び11月22日に初期調査について学校及び教育委員会から遺族への説明はなかった。

児童生徒の自殺が起きたときの背景調査の在り方について(通知)文部科学省より引用
2 背景調査を行う際の留意事項
(1)万が一自殺等事案が起きたときは、学校又は教育委員会は、速やかに遺族と連絡を取り、できる限り遺族の要望・意見を聴取するとともに、その後の学校の対応方針等について説明をすることが重要であること。また、当該児童生徒が置かれていた状況について、できる限り全ての教員から迅速に聴き取り調査を行うとともに、当該児童生徒と関わりの深い在校生からも迅速に、かつ、慎重に聴き取り調査を行う必要があること。なお、在校生からの聴き取り調査については、遺族の要望や心情、当該在校生の心情、聴き取り調査について他の在校生等に知られないようにする必要性等に配慮し、場所、方法等を工夫し、必要に応じ後日の実施とすることも検討することが重要であること。

2012年10月31日(水)星になった少年の事件が報道される

  2012年10月31日(水)21時58分配信 読売新聞
中二男子、公園で首つり死亡・・・教論からの指導後
広島県東広島市の市立中2年の男子生徒(14)が10月29日に市内の公園で首をつって死亡していたことがわかった。
県警や市教委などは自殺とみているが、現段階でいじめに関する情報はないという。
市教委によると、生徒は同日午後7時20分頃、公園で首をつった状態で見つかり、病院で死亡が確認された。
遺書は見つかっていないという。
生徒はこの日朝、通常通り登校、美術に授業で使うカボチャを隠すいたずらをしたとして、担任教師らから指導を受け、部活動への参加を認められずに午後5時45分頃に下校したが、帰宅していなかった。
学校で9月に行ったアンケートで、生徒は「いじめを受けていない。」と回答していたという。
市教委は、「教論の指導に、体罰や暴言などの行き過ぎた行為はなかったと考えている。」としている。
【記事の誤り】
上記の記事では、”カボチャを隠すいたずらをした”とあるが、”友達とカボチャで遊び廊下に置いた”が正しい。
【疑問点】
自殺した翌日であるにもかかわらず、市教委は、「教論の指導に、体罰や暴言などの行き過ぎた行為はなかったと考えている。」と発表している。
翌日までに、このコメントが発表できる資料調査、分析が行われと考えるのは不可能である。

児童生徒の自殺が起きたときの背景調査の在り方について(通知)文部科学省より引用
2 背景調査を行う際の留意事項
(6)背景調査においては、自殺等事案が起きた後の時間の経過等に伴う制約のもとで、できる限り、偏りのない資料や情報を多く収集し、それらの信頼性の吟味を含めて、客観的に、また、特定の資料や情報にのみ依拠することなく総合的に分析評価を行うよう努める必要があること。したがって、調査で入手した個々の資料や情報は慎重に取り扱い、調査の実施主体からの外部への安易な提供や公表は避けるべきであるとともに、外部に提供又は公表する方針がある場合は、調査の実施に先立ち、調査対象となる在校生やその保護者に説明し、できる限り了解を得ることが重要であること。
(7)上記のほか、背景調査における資料や情報の収集、調査結果の外部に対する説明や公表等に当たり、調査の実施主体は、当該児童生徒、遺族、在校生及びその保護者など関係者のプライバシーや心情にできる限り配慮するよう努める必要があること。ただし、資料や情報の収集、調査結果の適切な説明等に支障が生じないよう努める必要があること。

2012年11月1日(木)中学校が保護者へ説明会を開催

[星になった少年]の父より、当日の[星になった少年]の様子を説明した。
また、学校に対して下記の学校の生徒に対する安全配慮がなかった事が今回の事故原因の一つとして、市教委と連携し各新聞記事の訂正するようにお願いをし、校長の約束を得た。
下校時間を過ぎてまでの指導後
  • 指導後に学校が家に連絡をしなかった事
  • 息子を家まで送らなかった事
[星になった少年]の遺族は、説明会の後で関係した4人の先生(数学教師Z、担任教師X、野球部コーチW、野球部顧問Y)に当日の話を聞き、今回の原因について思いを聞き謝罪を受けた。
行過ぎた指導や息子への配慮が足りなかったという事に対して、4人の先生へもう一度話を聞いていただき、市教委へ訂正文書を提出していただくように校長先生に依頼した。

【学校及び指導した4人の教員の捉え】(事件3日後の11月1日の時点)
1.亡くなった生徒はどのような生徒であったか
  • 授業では,得意分野でよく発表してくれていた。班で話し合いをするときは,理解できていない生徒に教えるなど,面倒見がよい生徒だった。
  • 活発で運動好きで,仲間からも慕われていた。クラスの雰囲気を明るくしてくれるムードメーカー的な存在だった。
  • 自分でやると決めたことに対して一生懸命取り組む生徒で,周りに指示しリーダーシップをとるタイプではないが,取り組む姿で周りを引っ張る生徒であつた。
  • 頑張り屋で練習熱心で自分に厳しい生徒であった。
2.なぜ生徒が自殺に至ったと思うか(指導した4人の教員の捉え)
  • 指導の中で「また,嘘をついたよね。」と言った言葉が,正直に頑張ろうと思っていた気持ちを失わせ,[星になった少年]の気持ちを追い詰めた。
  • 指導後に[星になった少年]が深刻な思いでいたのに,その思いに気付かず十分に寄り添うことができなかった。
  • 学校生活の中で部活動を大事に考えていたにもかかわらず,「学校生活をきちんとできないと部活をする資格はない」と本人に言い,逃げ道をなくしてしまった。
  • 追い込まれている心境の中で「責任を取ります」と言った生徒に対して,「簡単に責任を取ると言うものではない」と声かけし, さらに追い詰めてしまった。
3.現段階での学校としての課題の捉え(事件3日後、平成24年11月1日時点)
    当日の指導も含め,これまでの指導の中で亡くなった生徒が精神的に追い詰められ, 自殺を考える状態であったことに学校として気付けなかったということは,学校の指導において配慮が足らなかったと捉えている。
学校の指導に配慮が足らなかったということにおいて,現段階では,次のように考える。
(1)生徒理解が不十分であったこと
  • 生徒の思いや気持ちの変化に寄り添う日常的な関わりや指導が十分にできていなかった。
  • 生徒の頑張りをしっかりと評価し,頑張りを認めてやる日常的な関わりが不十分であつた。
(2)組織としての教職員間の連携が不十分であったこと
  • 生徒の特性や本人への指導及び反省内容を教職員が共通理解を図る連携が十分できていなかった。
(3)生徒の意欲や生徒との信頼関係を高める生徒指導になっていなかったこと
  • 生徒指導を通して,意欲や自己肯定感を高め,信頼関係をさらに高める指導になっていなかった。
  • 教職員間の連携の指導において,生徒の意欲や生徒との信頼関係を高めるという視点が不十分であった。
(4)生徒指導に係る家庭への連絡体制が不十分であったこと ´
  • 指導内容や指導後の対応など家庭への報告も含め,連絡や連携が不十分であつた。
  • 家庭への指導内容や指導後の対応についての連絡体制が十分でなかった。

以上のように,生徒が自殺に至った背景には,当日の指導だけでなく,学校の生徒指導や生徒指導体制の在り方において様々な要因がある。
今後も第二者(検証チーム)からの検証結果も真摯に受け止め,これまでの学校の生徒指導の課題をすべて明らかにし,再発防止,信頼回復に向けて全職員一九となって全力で取り組まなければならないと考えている。

2012年11月9日(金)保護者説明会での校長との約束を確認

2012年11月1日に[星になった少年]の父と校長とが約束した「市教委への訂正文」について一週間以上経過しても連絡がなかった。
確認をしに[星になった少年]の母と[星になった少年]のいとこが学校を訪問した。
市教委へ提出前に文章を見せていただく約束でしたが、もうすでに市教委に送ったという回答であった。
時系列的に4人と息子の会話が記載されていたが、11/1に各教諭が原因として話された内容や謝罪の言葉が記載されておらず、訂正をお願いした。
来週早々にも修正して見せると校長と約束した。

2012年11月13日(火)保護者説明会での校長との約束を再度確認

2012年11月1日に[星になった少年]の父と校長とが約束した「市教委への訂正文」について確認のため学校に訪問してから週が明けたが、学校からの連絡がなかったため、[星になった少年]の父、母、いとこで再訪問した。
文章は訂正されていなかったが、学校の指導に対する課題としてまとめられた資料が作成中であった。
11/1のヒアリングで教諭が原因としてあげた内容が課題として少し記載されていたが、事実関係が分かる資料ではなかった。
校長が、作成中でも市教委に送りますとが言ったが、[星になった少年]の父は、未完成の物を送っても意味が無いので完成後に見せてもらうようにお願いした。
この後も、遺族へ市教委への訂正文の報告はなかった。

2012年11月22日(木)生徒に記名式のアンケート実施

中学校は6時限目に2年生の生徒に対し、記名式のアンケート実施した。
翌日に調査委員会設置の説明を控え、学校はこれから本格的な調査が行われることを把握しておきながら行われていた。

2012年11月23日(金)教育委員会より第三者委員会設立の説明

[星になった少年]の両親に対し東広島市教育委員会より第三者委員会設立についての説明があった。
市場教育調整監兼学事課長、米田部長より
「遺族や生徒の保護者としっかり連携をとり」、「公平な立場で事実と向き合って包み隠さず丁寧に調査を進めていく」という説明を受けた。
[星になった少年]の両親は上記の順守を条件に調査をお願いした。
しかしながら、その後一番大切な設置要綱についての説明はなく、遺族に対して、調査の目標、方法、入手した資料の取扱い、遺族に対する情報提供の在り方について説明はなく、遺族と合意のないまま進められた。

児童生徒の自殺が起きたときの背景調査の在り方について(通知)文部科学省より引用
2 背景調査を行う際の留意事項
(5)詳しい調査を行うに当たり、調査の実施主体は、遺族に対して、調査の目的・目標、調査委員会設置の場合はその構成等、調査の概ねの期間や方法、入手した資料の取扱い、遺族に対する情報提供の在り方や調査結果の公表に関する方針など、調査の計画について説明し、できる限り、遺族と合意しておくことが重要であること。
また、在校生及びその保護者に対しても、調査の計画について説明し、できる限り、その了解と協力を得つつ調査を行うことが重要であること。なお、詳しい調査の過程において、必要に応じて随時、遺族に対して、調査の状況について説明することが重要であること
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